生活、地域再生へ総力 住まい確保早急に/山口代表ら、石川・能登の被災地(輪島市、穴水町、内灘町)へ
■現場の思いに沿った復興を
(公明新聞 1月22日1面より抜粋)
能登半島地震の発災からきょう22日で3週間を迎える。公明党の山口那津男代表は21日、98人が亡くなった石川県輪島市のほか、穴水町や内灘町など被害が甚大な地域を訪れ、道路や家屋、住民生活といった被災状況を調査するとともに、避難生活を余儀なくされている被災者を見舞った。山口代表は、今回の調査に基づき、地域のコミュニティー再生をはじめ、「現場の思いに沿った復旧・復興が進むよう、公明党のネットワークの力を最大限に生かしていく」と述べた。
この日の調査には「令和6年能登半島地震災害対策本部」の大口善徳本部長(衆院議員)、塩田博昭事務局長(参院議員)、中川宏昌本部長代理(衆院議員)のほか、党石川県本部の谷内律夫代表、小松実幹事長(ともに県議)、源野和清、坂秀明の両金沢市議、笹川広美・中能登町議が同行した。
山口代表らは早朝、金沢市を出発し、自動車で能登半島へ。道路の復旧作業は進みつつあるものの、土砂崩れなどの影響で迂回しながら3時間掛けて輪島市に到着した。
市役所で懇談した坂口茂市長は、市内の家屋被害について「4割から5割は全壊ではないか」と指摘。いまだに全戸が断水状態にあるなど被災状況を説明し、復旧には「マンパワーが全然足りない」と訴えた。
さらに伝統産業「輪島塗」や観光業、農林水産業も壊滅状態であるが、「復興したいという思いを持つ人がいる」と述べ、輪島港などインフラの復旧や、住民の生活、なりわいの再建へ十分な支援を求めた。
続いて一行は、社会福祉法人「佛子園」と青年海外協力協会が運営する市役所内に設置された福祉避難所で、高齢者や知的障がい者といった要配慮者らを見舞った後、福祉施設「輪島カブーレ」を訪問。この施設では要配慮者に対し、12日から温泉や食事を無償提供している。運営に携わる同協会の堀田直揮さんは「被災者に少しでもリラックスしてもらえるとうれしい」と語った。
一行はその後、大規模な火災が起きた「輪島朝市通り」を訪れ、亡くなられた方の冥福を祈るとともに、街中で家屋が倒壊した現場や、道路が陥没したり、隆起したりしている現場を見て回った。
■避難者見舞い要望聴く
一行は午後、穴水町へ。避難所になっている公民館「さわやか交流館プルート」を訪問し、吉村光輝町長の案内で、居合わせた避難者や職員を激励した。公民館の近隣に住み被災した寺西繁子さんは、山口代表の訪問に「安心した。涙が出た。元気に頑張る」と喜んだ。山口代表は「何でも要望を寄せて下さい。解決に向けて取り組みます」と声を掛けた。
その後、液状化被害が深刻な内灘町で、川口克則町長と共に車道が隆起する現場を調査した。
同日夕、金沢市に戻った一行は、県庁内で馳浩知事と面会し、インフラ復旧や仮設住宅のあり方、企業への支援などについて意見交換した。
視察後、山口代表は上下水道などの復旧に向け「できるだけ早く、これから先の見通しを避難者に伝えられる状況をつくることが重要だ」と強調。また要望を踏まえ、仮設住宅は、従来よりも長く居住できるようにすることや、「なりわい、コミュニティーも復活できる見通しを示せる方法がないものかと思っている」と述べた。